
みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。
先日、インテックス大阪で開催された「第2回鉄道技術展・大阪2026」に行ってきました。風光社からインテックス大阪へ行くには、大阪メトロ谷町線で谷町四丁目まで行き、中央線に乗り換えます。ほどなくやって来た列車の行先表示には「夢洲」の文字が。それを見た瞬間、脳裏に浮かんだのは、あの「EXPO 2025 大阪・関西万博」と、興奮のるつぼと化した会場の姿でした。

その万博の玄関口として大活躍したのは、最寄り駅である夢洲駅。期間中に約4,000万人が乗降し、来場者のなんと7割が利用するという堂々たる実績を誇ります。しかし、万博が終わってからは気にも留めてなかったこの駅ですが、行先表示を見た瞬間「今はいったいどうなっているのか?」とスイッチがパチッと入ったので、調査に向かうことにしました。もちろん、鉄道技術展へ行ってからですが。


とりあえず(←失礼)展示会を見学してから、夢洲駅に向かいます。ひとつ手前のコスモスクエア駅から列車に乗り込むと、乗客は1両に2~3人とやはりガラガラの状態。乗っているのはビジネス系の人々が2割、残りは秘境巡りが好きそうな日本人と外国人が半々、といったところでしょうか。約4分で夢洲駅に到着すると、人々は思い思いにホームからコンコースを通って改札口へ向かいます。コンコースでは、鳴り物入りで登場した巨大な〝夢洲LEDビジョン〟が予想を裏切って、立派な映像を流していました。とはいえ誰もいないフロアに、ひたすら繰り返し放映される映像と音声。なかなかシュールな光景でした。


そのまま改札を出て地上に上がると、そこは立ち入り禁止のフェンスで囲われた狭い〝箱庭〟。唯一人が出入りできるのは、建設作業員の専用入口だけで、警備員の「また来よった」と言わんばかりの冷たい視線がビシビシ飛んできます。できるだけ視線を合わせず周囲を見渡すと、かつて賑わいを見せた東ゲートはすでに跡形もなく、周囲は海風の音と時折聞こえる海鳥の鳴き声が響くだけ。林立するクレーンの向こうには、六甲山系がそのなだらかな姿を横たえていました。


もはや駅以外は何も残っていませんが、思い起こせば数年前に発表された瞬間から「キモイ」とディスられまくったミャクミャク、開幕前に相次いだパビリオンの工事の遅れやメタンガスの噴出、そしてこれも叩かれまくった複雑怪奇なチケットの事前登録・予約システム。開幕後も入場ゲート付近で起こった通信トラブル、ユスリカの大量発生、肝心の入場者数の伸び悩みなど、ネガティブな話題には事欠かなかった今回の万博。しかし終わってみれば、入場者数は目標の2,820万人を上回る2,902万人を記録し、収益も最大370億円の黒字を見込むなど、この地で大成功を収めたのです。めでたし、めでたし。


次にこの駅が賑わうのは、2030年秋頃に予定されている大阪IRの開業のタイミングになります。とはいえ、この状態が数年間も続くのは実にもったいない。どうせなら駅のサイネージと広大な空間を全面的に活用した、一大イベントなんかはいかがでしょう?…と、考えていたらハタと気が付きました。それはこの駅の最大の弱点がトイレであること。ここのトイレは全部合わせても個室が16室しかなく、万博期間中はその混雑ぶりが話題になるほど逼迫していました。それゆえ、このまま大規模なイベントを実施すると、阿鼻叫喚の地獄絵図となりかねない。輝ける夢洲駅の未来予想図をお考えの方は、くれぐれもこのことをお忘れなく。「何をするにもまずトイレから」。

