コラム

社長コラム
2021.02.15
ネコとのぼり窯と飯茶碗
閑話休題ロゴ


みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。

つい先日、私の愛用している飯茶碗を我が家の愚猫が粉砕したため(T_T)、滋賀県の信楽にある「宗陶園」という窯元にお邪魔しました。こちらは江戸時代に築かれたのぼり窯で焼き上げた陶器を販売しており、NHK朝の連続ドラマ「スカーレット」の撮影に使われた窯元でもあります。

 のぼり窯は山の斜面を利用して、一番下の火袋と呼ばれる入口から火を焚き、一番上の吹き出しまで連続した複数の部屋に置いた陶器を、余熱を使いながら下から上へ焚き上げていく窯のことです。

 こちらでは年に2回、茶道具や食器、傘立てや名物のタヌキの置物など15,000点(!)を一気に焼き上げるそうです。ご主人にお話しを聞くと、全12室の窯で焼き上げるには七日七晩の火の管理が必要で、しかもすべて思い通りに焼き上がるわけではなく、割れたり色が出なかったり失敗作も多いとのこと。さらに窯の手入れには気が遠くなるほどの作業が必要で、苦労ばかりですよ、と笑っておられました。

とはいえ、信楽ではいまも使えるのぼり窯は唯一ここだけとなり、なんとか後世にバトンを渡してもらいたいものです。その応援の意味も込めて私が買った飯茶碗はコチラ。

信楽焼 茶碗

いかにも信楽焼らしい緋色のボディに、深い緑の混じった釉薬をいい感じに纏(まと)った逸品。あとは愚猫のオフェンスをどうしのぐか、思案のしどころです 💡。