みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。
もはや〝昭和の遺物〟といった文脈でしか語られない社員旅行。現状がどうなっているのか調べてみると、産労総合研究所の「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」では、コロナ前の2019年度の実施率は27.8%。ちなみにその前の調査は2014年では実施率は36.9%だったそうで、減少傾向にあることは間違いありません。
しかし、私は常に〝逆張り〟を考える天邪鬼(あまのじゃく)。「みながやらねばウチはやる」と一念発起(とはいえ、もとから行く気満々)。ただ、あくまでも旅行の主体は社員の皆さんゆえ、当方はおカネだけ工面して、後は社員会の世話役さんに企画をお任せ(丸投げ?)。すると精鋭メンバーは滋賀県の米原・長浜周辺を巡る、全員参加型のいかにも楽しそうな日帰り旅行を企画してくれました。
今回、足を運んだのはバラと英国風の庭園と〝ひつじのショーン〟のリアルワールドが体験できる「ローザンベリー多和田」。こちらで散策とBBQを楽しみます。お天気に恵まれたこの日は湿度も低く快適で、バラ以外にもいろんな花が咲き誇るローザンベリーはまさに桃源郷(英国風のお庭ですが)。ここでは集合写真やBBQの様子を、玄人はだしの撮影技術を持つカメラマンのI氏が撮影してくれました。しかしこのI氏の撮影助手?を務めたせいで、私自身は〝ひつじのショーン〟のリアルワールドにまったく触れることなく。ホントにいたんですか?ショーン君。
次に向かうのは長浜の「黒壁スクエア」。天正元年(1573)9月、織田信長と争った浅井長政が滅んだあと、この場所が交通の要衝と見抜いた羽柴秀吉によって町づくりが進められた、長浜市の中心部に位置します。第百三十国立銀行長浜支店として明治33年(1900)に建てられたこの建物は、その後保存のために地元の有志に買い取られ、ガラス事業を始めました。現在は製造と販売の拠点となっているこの建物をはじめ、北国街道に沿って碁盤目に広がるエリアには古民家が立ち並び、なかなかの雰囲気です。
ここではお題のひとつである「チーム対抗★映え写真大会」が繰り広げられました。江戸と明治が融合したかのような街並みを、チームでやいのやいの言いながら〝映えスポット〟をぶらぶら探すのは、なんとも楽しいひと時でした。とはいえ、平日(水曜日)ということもあって休業しているお店が多く、本来のエリアの魅力を堪能できなかったのは少々残念。
同じ社員旅行であっても1990年代を想い起こすと、その違いが際立ちます。当時の私の職場では、総勢120名が北は北海道から南は九州(宮崎県)まで、各地の名所旧跡を巡りつつ夜には狂乱の宴に興じるというまさに〝古き良き社員旅行〟。さすがに令和のこの時代、このようなスタイルはあり得ません。いまでは社員旅行のコンセプトは大きく変化し、かつての「飲みニケーション」はもはや絶滅危惧種。それに代わって地域の文化や歴史、環境を学ぶ研修や、組織の一体感を醸し出すチームビルディングの導入など、新たな試みが増えているそうです。
今回の弊社の旅行も、コンセプトはチームビルディング。「チーム対抗★映え写真大会」では、仕事のフィールドを離れて年齢も性別もキャリアもばらばらなチームメンバーが、〝映え〟というひとつの目標に向かって協力しあう姿を見て、令和の社員旅行もいいなあ、とつくづく感じた1日でした。新大阪駅での解散後、何人かはそのまま連れだって「飲みニケーション」。こんなハイブリッドな感じも、当世ならではといったところでしょうか。