コラム

社長コラム
2024.06.14
社員旅行
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 みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。

 もはや〝昭和の遺物〟といった文脈でしか語られない社員旅行。現状がどうなっているのか調べてみると、産労総合研究所の「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」では、コロナ前の2019年度の実施率は27.8%。ちなみにその前の調査は2014年では実施率は36.9%だったそうで、減少傾向にあることは間違いありません。

 しかし、私は常に〝逆張り〟を考える天邪鬼(あまのじゃく)。「みながやらねばウチはやる」と一念発起(とはいえ、もとから行く気満々)。ただ、あくまでも旅行の主体は社員の皆さんゆえ、当方はおカネだけ工面して、後は社員会の世話役さんに企画をお任せ(丸投げ?)。すると精鋭メンバーは滋賀県の米原・長浜周辺を巡る、全員参加型のいかにも楽しそうな日帰り旅行を企画してくれました。

新大阪駅で集合し、米原までは新幹線で一気に移動。入線してきたのは、JR東海の技術の粋を集めたシリーズ最高峰のN700S。
かつては新潟県の直江津まで結んでいた北陸本線の起点、米原駅。駅は「まいばら」ですが高速道路のICは「まいはら」と読みます。

 今回、足を運んだのはバラと英国風の庭園と〝ひつじのショーン〟のリアルワールドが体験できる「ローザンベリー多和田」。こちらで散策とBBQを楽しみます。お天気に恵まれたこの日は湿度も低く快適で、バラ以外にもいろんな花が咲き誇るローザンベリーはまさに桃源郷(英国風のお庭ですが)。ここでは集合写真やBBQの様子を、玄人はだしの撮影技術を持つカメラマンのI氏が撮影してくれました。しかしこのI氏の撮影助手?を務めたせいで、私自身は〝ひつじのショーン〟のリアルワールドにまったく触れることなく。ホントにいたんですか?ショーン君。

社員旅行の定番、観光バス。フロントガラスに燦然と輝く「株式会社風光社様」の貼り紙が、旅行気分を盛り上げてくれます。
以前に勤めていた会社の同期生であるカメラマンのI氏とは、20年来の〝腐れ縁〟。普段の素行はともかく(笑)撮影の腕は確かです。

 次に向かうのは長浜の「黒壁スクエア」。天正元年(1573)9月、織田信長と争った浅井長政が滅んだあと、この場所が交通の要衝と見抜いた羽柴秀吉によって町づくりが進められた、長浜市の中心部に位置します。第百三十国立銀行長浜支店として明治33年(1900)に建てられたこの建物は、その後保存のために地元の有志に買い取られ、ガラス事業を始めました。現在は製造と販売の拠点となっているこの建物をはじめ、北国街道に沿って碁盤目に広がるエリアには古民家が立ち並び、なかなかの雰囲気です。

黒壁スクエアに沿って伸びる長浜大手通り商店街。かつての「犬猫二匹におばあちゃんしか通らん商店街」も、いまや立派な観光地に。
黒壁の店内の様子。さすがに元銀行だけあって重厚な造りに歴史を感じます。現在はガラス製品の展示、販売を行っています。

 ここではお題のひとつである「チーム対抗★映え写真大会」が繰り広げられました。江戸と明治が融合したかのような街並みを、チームでやいのやいの言いながら〝映えスポット〟をぶらぶら探すのは、なんとも楽しいひと時でした。とはいえ、平日(水曜日)ということもあって休業しているお店が多く、本来のエリアの魅力を堪能できなかったのは少々残念。

長浜の古刹「大通寺」の表参道を歩く我がチームの面々。古民家を使ったカフェなど〝映えスポット〟が点在します。
長浜散策の締めに向かった「長濱浪漫ビール」の醸造所。地ビールで乾杯!のはずが、休憩時間らしく閉店中。こちらも残念!!

 同じ社員旅行であっても1990年代を想い起こすと、その違いが際立ちます。当時の私の職場では、総勢120名が北は北海道から南は九州(宮崎県)まで、各地の名所旧跡を巡りつつ夜には狂乱の宴に興じるというまさに〝古き良き社員旅行〟。さすがに令和のこの時代、このようなスタイルはあり得ません。いまでは社員旅行のコンセプトは大きく変化し、かつての「飲みニケーション」はもはや絶滅危惧種。それに代わって地域の文化や歴史、環境を学ぶ研修や、組織の一体感を醸し出すチームビルディングの導入など、新たな試みが増えているそうです。

湖岸にひっそり佇む長浜城。豊臣秀吉が城主を務めたこの城も、江戸前期に廃城とされたため現在のお城は鉄筋コンクリート製。
16号車の最果てに陣取るご一行様。米原~新大阪間の所要時間はわずか35分。ちなみに新快速だと1時間21分かかります。さすが韋駄天。

 今回の弊社の旅行も、コンセプトはチームビルディング。「チーム対抗★映え写真大会」では、仕事のフィールドを離れて年齢も性別もキャリアもばらばらなチームメンバーが、〝映え〟というひとつの目標に向かって協力しあう姿を見て、令和の社員旅行もいいなあ、とつくづく感じた1日でした。新大阪駅での解散後、何人かはそのまま連れだって「飲みニケーション」。こんなハイブリッドな感じも、当世ならではといったところでしょうか。

とても楽しい1日でした。