みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。すでに2月に入っておりますが、今年も風光社グループをよろしくお願いします。
昨年のクリスマス前にインフルエンザにかかりました。以前は真面目にワクチンを打っていましたが、これまでまったく感染しなかったことで用心が自信に、そして過信が慢心に。そんな時に襲ってきた〝流行り病〟は、なかなか強烈なダメージを身体に与えてくれました。熱は下がったものの、大晦日を迎えてもどうにも体調がすぐれない。そこでひらめいたのは「神頼み」。
さっそく「病気平癒・無病息災」で近所の神社を検索すると、八坂神社がヒットしました。さすがGoogle、私の居住地を把握し、氏子区域である八坂さんへピタリと誘導してくれます。ありがたいし便利ではありますが、少々薄気味悪い世の中ですね。直前に読んでいた神社に関する本によると、八坂神社の主祭神はあの暴れん坊のスサノオノミコト(須佐之男命)。いかにも頑強なイメージなので、お参りするにはピッタリかと。とはいえアマテラスを怒らせるほど暴れるのではなく、何事もほどほどにしてもらいたいものです。と、こんなことを考えながら参拝したからか、久しぶりに引いたおみくじは見事に「凶」。スサノオさん、ごめんなさい。
ちなみに読み返していたのは、弊社の図書室の蔵書である渋谷申博著「眠れなくなるほど面白い神社の話」。これまで神社について曖昧だった知識を、見事にアップデートしてくれました。例えば全国の神社が崇敬の対象とする伊勢神宮は、国の平安を護るがゆえに個々の祈願にはタッチしていないとか、オオクニヌシノミコト(大国主命)は白兎を助けたせいで兄貴分の八十神(やそがみ)に2回も殺され、頼ったスサノオにはパワハラを受け、苦労してつくった国はアマテラスに無理やり譲らされ、という究極のいじめられっ子だったとか。神様であっても苦労が絶えないのですね。
他にも特定の氏族の祖先神や守り神である氏神様は、よそ者を受け付けないばかりか、お参りすると逆に祟りを受けかねないとか、特定の土地を守る神様を産土神(うぶすながみ)と呼びますが、中世の武士達が産土神と氏神を混同したまま現在に至っているとか、天満宮や東照宮のような実在した人物を祀っているのは人神(ひとがみ)神社と呼ぶとか、知らないことだらけでした。
ついでに伊勢谷武著「アマテラスの暗号」によると、いわゆる分社を持つ神社のトップは4万もの八幡社を持つ大分の宇佐神宮、続いて3万社の稲荷神社を持つ伏見稲荷大社。このふたつが桁違いに多く、続くのは八坂神社の2,900社、白山神社の2,700社、日吉神社(日枝神社・山王神社)の2,000社、金毘羅神社の1,900社などがあるそうです。○○八幡と○○稲荷だけで7万社もあるとは驚きですが、確かに少し歩くとあちらこちらで見かけますね。
これらを頭にインプットし、せっかくなのでトップに輝く八幡社へお参りに行くことにしました。ここは神様と名前を取り替えた唯一の天皇、応神天皇を祀っています。さすがに大分県は遠いので大阪と京都の境にある分社のひとつ、石清水八幡宮へ。初めて足を運んだこの神社は、平安京の裏鬼門にあたる男山にあり、桂川・宇治川・木津川の三川合流地域を足元に、京都盆地が一望できる絶景を楽しむことができます。ここでは八坂神社の「凶」を打ち消すべく、おみくじに再チャレンジ。結果は「未分(いまだわかれず)」。こんなくじがあることを、人生で初めて知りました。まあ、これも自分の力で何とかせよという神様流の激励なんでしょう、ハイ。