コラム

社長コラム
2024.03.11
サイクルツーリズム
閑話休題ロゴ

 みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。

 3月初めに開催された、西日本最大級のスポーツ自転車フェスティバル「CYCLE MODE (サイクルモード)RIDE OSAKA 2024」。今年もひょうご観光本部さんのブースの横断幕やバナーの製作、パンフレットのデザイン&印刷のお仕事を頂戴したことから、お手伝い要員としてイベント初日に会場である万博記念公園を訪ねました。

かつてはインテックス大阪で開催されていたこのイベント。屋外開催なので試走するコースも併設され、新型車の試乗が大人気。
この日は気温が低く、強風が吹き荒れ、時おり小雪がチラつく過酷なお天気。しかし会場にはたくさんの来場者の熱気が。でもサブいです。

 こちらのブースでは、県内でサイクルツーリズムを催行する事業者さんを紹介します。ご存じのように、兵庫県は摂津・播磨・但馬・丹波・淡路という歴史も風土も異なる個性豊かな五つの国が集まっていて、それぞれの地域には豊富な観光資源が存在します。これらを知り尽くしたプロのサイクリングガイドたちが、地域の特色を色濃く反映したユニークなツアーを企画して、県内への来訪者を増やすことがミッションです。

各地の行政が出展するエリアに、2小間使って事業者さんを紹介するひょうご観光本部のブース。結構な人出で賑わいました。
真ん中のパンフが弊社の精鋭デザイナーの手によるお仕事。こちらも多くのお客様が手に取ってくださりました。感謝!

 私たちは自転車、といえば手軽に誰もが乗ることができる〝ママチャリ〟を連想しますが、海外では自転車はれっきとした「車両」。道路を走る乗り物としてはクルマやバイク(モーターサイクル)と同等の扱いとなり、交通法規に則って走行しなければなりません。道路の左側や(海外は右側通行)一方通行を逆走したり、歩行者専用道を走行したらソッコーで駆けつけた警察官に反則切符を切られ、罰金を支払うハメになります。

四国4県のブース。やはりしまなみ海道は別格の人気です。左側のイラスト、自転車のフレームはもちろん、パーツ類の描写がリアル過ぎてビックリ。
〝鬼推し〟の京都。どこの鬼かと思えばそうではなく、府の外周を周回する超ハードなルートを提案していました。まさに鬼です地獄です。

 一方、日本では「軽車両」として一部の歩道での走行が認められているなど、自転車はかなり歩行者寄りの扱いとなっていて、交通ルールも厳格に適用されません。そのためルールを守る意識がなかなか働かず、結果的に人やクルマとの接触事故が多発しています。街中で見かける外国人が参加するサイクリングツアーも、数人で並走したり歩行者専用道を走ったりと、ガイドがいても安全管理が行き届いていないケースが多く、ヒヤリとさせられます。

メインはやはり自転車メーカーの展示ブース。イタリアンバイクの老舗Bianchi(ビアンキ)、といえば緑色。そう、ブランドカラーの〝チェレステ〟には憧れたものです。ブラックベースでもやっぱりカッコイイ!
LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループに名を連ねる高級バイクの代名詞、PINARELLO(ピナレロ)。このマシン、フレームだけ(ハンドルもペダルもタイヤもなし)のお値段が1,100,000円也。

 そのような危険な行為を未然に防ぎ、楽しく安全なサイクリングツアーを実現する切り札になるのが、公認サイクリングガイド。特に一般社団法人日本サイクリングガイド協会(JCGA)の公認ガイドは、座学と実習をみっちりこなした上に、厳格な筆記試験と失敗が許されないタフな実技試験を突破せねばならない〝狭き門〟。この門をくぐり抜けたJCGA公認ガイドは、まさに最高のサイクリング体験の伝道者(エバンジェリスト)となります。

大リーグ養成ギプス…ではなく、サイクリングガイドの養成テキスト。交通法規からガイド技術、自転車のメンテナンスまで覚える内容は多岐にわたります。アタマ痛い。
〝鬼畜い〟実技試験に合格すると着用を許される公認ジャージ。このカラーリングから一部では「ふなっしー」と呼ばれます。でも梨汁ブシャーはできません。

 歩くには長すぎる距離を、クルマよりゆっくりと移動しながら、豊かな自然や歴史に彩られた旧街道の景色を楽しむサイクリング。「でも、私は体力があまり…」と心配なアナタ、大丈夫です。最近はスポーツタイプの自転車にも電動化の波が押し寄せてきました。電動といっても法律で認められているのはあくまでもアシストなので、自力でペダルを漕ぐ必要はあります。が、実際に乗ってみると発進時の加速はもちろん、結構な登り坂でもグングン前に進む異次元の感覚は、一度体験すると間違いなく病みつきになります。

GIANT(ジャイアント)の電動アシスト付きE-Bike。中央のフレームの膨らみは強力なバッテリー内蔵の証。満充電でおよそ200kmもの距離を走ることができます。
誇らしげにロゴが刻印されるモーターのケース。日本の法律では、アシストするスピードの上限は時速24km。ちなみにアメリカやカナダでは時速32kmまでOKだそうです。

 このような電動アシスト自転車、いわゆるE-Bikeをレンタルできるツアーを選ぶと、長距離や山道であっても体力の心配なく、みんなと同じペースで走り切ることができます。しかもアシストがあるとはいえ、ペダルを〝漕ぐ〟という動作を伴う以上、カロリーを消費するため必ずお腹が空いてきます。そのタイミングを見計らって案内してくれるお店やカフェで、地域の特産品やスイーツを罪悪感なく思い切り楽しむ。さらにガイドの軽妙な語り口による風土や歴史、文化の説明を聞く。まさにお腹も心も満たされる旅がそこにあります。

各地で個性的なサイクルツーリズムを行っている事業者さんたち。おひとり様からお友達とのグループまで、皆さまのお越しをお待ちしています。
なんでもない日常の風景も、自転車で駆け抜けるといろんな発見を楽しむことができます。エコで健康的な自転車で日本の原風景を満喫しましょう!

 道に迷ったり、パンクなどのトラブルに遭ったり、途中でお腹を空かせたまま日没を迎えたり…というリスクを回避し、グレタ・トゥーンベリさんに叱られることなく円安も関係ない、日本の原風景を全身で満喫できるサイクリングガイドのツアー。花と緑があふれるこれからの季節、一度体験してみてはいかがでしょうか?もちろん、できれば兵庫県で!