みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。
本当に暑い日が続いています。もともと長期予報で「今年は暑い夏」というお告げが出されていましたが、いくら予告されても暑いモノは暑い。そんな過酷な日々のさなかに、京都では4年ぶりに祇園祭が完全な形での山鉾巡行と神輿渡御(みこしとぎょ)が行われました。
そして、以前このコラムで紹介した愛宕神社の「千日詣(せんにちまいり)」も同じく4年ぶりに夜間の参詣や神事が復活することに。古くから火伏・防火に霊験があり、全国に約900社を数える愛宕を冠する神社の総本社、愛宕神社。こちらに7月31日の夜から8月1日早朝にかけてお参りすると、千日分の火伏・防火のご利益があると伝えられています。また、3歳までに子どもが参ると一生火の難を免れることができることから、多くの子供連れの姿も見られます。
一晩中明かりが灯される参道では、淡い光の中でシルエットになった人々が、「おのぼりやす」「おくだりやす」と互いに声を掛けあう姿をあちらこちらで見ることができます。「万引き家族」や「怪物」で有名な、是枝裕和監督が総合演出を手掛けるネットフリックスのドラマ「舞妓さんちのまかないさん」では、主人公が千日詣に訪れるシーンがあって実に幻想的だったそうです(←あくまでも聞いた話です)。そんなこともあり、私にとってほぼ10年ぶりとなる夜の千日詣へ行ってみることにしました。
別の用事もあったので、この日は会社を早退して17時頃から登山スタート。麓の鳥居から4km程度の道のりは高低差約850m。序盤はほぼ階段状の石積みが続くため、自分の歩幅で歩くことがなかなかできず、崩れた石がガレ場のごとく足元をすくう難所続き。しかも眺望がきく場所はわずかしかなく、視界に入るのは単調な斜面とうっそうと茂る木々。猛暑の中で風も吹かず、この季節に多い虫たちがワンワンと顔に群がる過酷な状況。それでもご利益を求めて老若男女、善男善女が一歩一歩踏みしめるように頂上の神社へ声をかけつつ登ります。
出発して2時間弱。夜の帳(とばり)が降りてきて、提灯の明かりがひときわ輝きを増す頃に愛宕神社の本殿へ到着。社務所に並ぶ「阿多古祀符火廼要慎(あたごしふひのようじん)」のお札やこの日限定の御朱印、そしてお神酒を眺めつつ、まずは社員の健康と会社の発展、そして火伏を祈願します。奥の若宮社、そして奥宮社までお参りしたあとは、お札を購入しお待ちかねのお神酒へGo!プラカップに注いだ一献を一気に喉へ流し込むと、ああ五臓六腑に染み渡る。
ようやく余裕が出てきてくつろいでいると、いつの間にやら吹き抜ける風も爽やかに。本殿ではこのあと午後9時から、神様へお食事をお供えする夕御饌祭(ゆうみけさい)、午前2時から朝御饌祭(あさみけさい)、そして人長の舞(にんじょうのまい)という優雅な舞が披露され、鎮火神事が執り行われます。が、明日も仕事の我が身ゆえここらで退散することに。
帰路は神事に思いを馳せつつ、すれ違う人に「おのぼりやす」と声掛けを。「皆さん神社までがんばってくださいね」と気分よく下山しつつ、今年のキーワード「4年ぶり」を思い返しているとハタと気がついたことが。
そう、我が町内ではこの夏4年ぶりに開催する地蔵盆と秋の区民体育祭が控えており、その打ち合わせと諸々の準備が…。町会長のお仕事が山積みである現実に直面した訳ですね、ハイ。