みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。
先日、世界持続可能観光協議会(GSTC=Global Sustainable Tourism Council)が催したSTTP(サステナブル・ツーリズム・トレーニング・プログラム)という認定試験を受け、無事に合格通知をいただきました。これは観光客の増加に伴って発生する自然破壊や環境汚染、混雑や渋滞による地域の人々の生活に与える悪影響などを防ぎ、持続的な観光地づくりに必要な国際基準を学ぶという内容です。お友達が自転車を使ったいわゆる「サイクルツーリズム」のお仕事をしており、私もたまに助っ人を務めることから、半ば強制的に受験させられることになりました。
事前の研修会に参加すると、周りは自治体の職員や観光事業者、大手旅行会社のシンクタンクなどのそうそうたる顔ぶれ。広告代理店勤務はひとりだけでした(汗)。しかも本番の試験は問題も解答もすべて英語。内容はいくつかの選択問題と2000~3000字の論述が10問。これを約2週間の期限内に解答を作成し、オンラインで一括送信するという受験場所も時間も持ち込みも自由な〝いまどき〟のお受験です。
とはいえ、生まれて初めての英語による試験に、英語の素養がほぼない私が素のまま通る訳がありません。そこでアドバイスに従って使ったのが、DeepLという無料の翻訳ソフト。これまで簡単な翻訳はグーグル先生にお願いしていたのですが、こちらの方が優れモノだそうなので即採用と相成りました。
実際の試験では、まず問題文の日本語訳から始まります。さっそく優秀なDeepL君にアクセスし、指定の場所へ英語の問題文をコピペすると、しばらく沈思黙考してからおもむろに日本語を表示してくれます。これがいわゆる「エセ日本語」ではなく、かなり自然な言葉に変換されるのでビックリ。恐らくサイバー空間の奥の方で、このソフトを司るAI君が夜も寝ずにいろんな翻訳文を黙々とディープに学習し続けているのでしょう。
こうして問題の意図を理解したら、次は自分のアタマで(← 当たり前)日本語の解答を作ります。ここでのポイントは、できるだけ日本での生活が長い外国人みたいな、馴れ馴れしい言葉遣いでかつ断定的に書くこと。そして、舶来のAIはどうも敬語が苦手のご様子なので、できるだけ敬語は使わないことに。こうして書き上げた日本語の解答を最初と同じ手順でコピペすると、またもや沈思黙考してからおもむろに英語を表示してくれます。これが絶対に自力では書けないような立派(そう)な英文なのです。
とはいえ、やはり文字校正は必要です。そこで頼ったのは日本在住十数年のザック・レイノルズ氏。オーストラリアンの彼は、三重県桑名市で金属フレームの自転車やグッズを販売するMULLER(ミューラー)のブランドマネージャーであり、NHK Worldの日本を紹介する番組に出演している日本通でもあります。さらに奥様が日本人、ということもあって日本語もバッチリ。その彼に英語の最終チェックをお願いすると、なんともまあ的確な修正指示が日本語と英語で入る入る。いったいこういう人たちのアタマの中はどうなっているのでしょう。
そんなこんなで仕上げた解答をウェブサイトにアップして、「Submit」ボタンをポチっと押してコンプリート。すると4週間くらいで合否判定のメールが届く、という段取りです。合格ラインは75%以上の正答率で、私のスコアは84%。
とりあえず合格してよかった!と胸をなでおろしましたが、一緒に受験したお友達のスコアは98%!! 合格したのは嬉しいけれど、ちょっと複雑な気持ちになりました(←負けず嫌い)。