コラム

社長コラム
2021.10.04
実りの秋
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 みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。

 〝残暑〟という言葉をあまり聞かないままお彼岸を過ぎて、全国的に秋がやって参りました。秋といえば「実りの秋」。今年もいろんな作物の収穫が始まっています。なかでも注目は〝コメ〟。地域によって差はありますが、お盆明けから10月半ばまでが刈り取りのシーズン。さっそく私も新米を手に入れました。

 今回手に入れたのは2種類。まさにブランド米業界のレジェンドと称される「コシヒカリ」。そして滋賀県民以外にはほぼ知られていない新興勢力の「みずかがみ」。まず、この両ブランド米の生い立ちを説明しましょう。コシヒカリの栽培の歴史は古く、1956年に福井県で開発されました(新潟県のイメージがありますが、発祥は福井県です)。現在でも国内栽培面積の1/3を占める伝統と実力を誇ります。対するみずかがみは、温暖化による高温の影響でコメの品質が落ちてきたことを受け、滋賀県農業技術振興センターが総力を挙げて2013年に開発した新品種。この新旧対決は、いわば65年の歴史を数える国民的大御所タレントに、わずか8歳のご当地アイドルが挑む図式といえます(笑)。

 まずはコシヒカリ。その特徴は妖艶なツヤときわ立つ香り。口に含むともっちりとした食感と舌を包み込む濃厚な甘味と旨味を感じます。この奥深い味わいがレジェンドたるゆえんだと思い知らされます。一方、みずかがみは色が白く華やかな光沢がある健康的なイメージで、口に含むとほどよい粘りと柔らかい香りがあり、噛みしめるとしっかりした甘味を感じる「後を引く」味わいです。さらにこのみずかがみ、冷めても美味しいのでおにぎりやお弁当に最適という、したたかな隠し技でファンを虜にします。

 しかし近年の温暖化の影響は、コメの出来栄えを大きく左右し始めています。もともと南方に起源を持つ稲は寒さに弱く、度重なる品種改良で寒冷地での収穫が可能になったにも関わらず、現在では気温、そして水や土そのものの温度上昇で収量が減ったり、コメ自体が白く濁るなど品質が落ちるなど影響は深刻です。最近ブランド米が増えたのは、農業振興策という目的以外に従来のコシヒカリやササニシキ、キヌヒカリでは対応できない暑さや病虫害に強く、かつ味もいい新たな品種が必要という差し迫った事態が背景にあるから、ともいわれます。

 また、おいしいコメを食べるには精米についても語らねばなりません。やはりコメは精米したてが一番。私は玄米(30kg)のまま購入し、郊外のコイン精米機で精米します。お金と玄米を機械に投入して、あとは精米の程度(7分づき~上白の数段階)を設定してスイッチを押せば完了。4~5分程度でピカピカの白米が誕生します。ただ、注意が必要なのは精米機の機種。やはり古いタイプより、新しい機種の方が美しくおいしく仕上がります。クボタの「クリーン精米屋」シリーズは、玄米投入口に自動シャッターがついていて、精米時の熱の発生を抑制する機能や、洗米時の水を減らせる〝クリーン白米〟ボタンが標準装備なのでおすすめですd(^_^o)。

各自治体の景観条例に対応した K-CR515CS-K(オプションのヌカハウス装備)。京都市内でも4か所のJA支店4で元気に稼働中!
ところで品番末尾の「K」は景観のK?それとも京都の…??

 ただし、コイン精米機を使うには最低10kgの玄米が必要になるため、そこまで量がなければ近所のお米屋さんに相談しましょう。頼めば少量でも精米してくれることもあります。

玄米をホッパーへ投入し、白米を受ける袋をセットして準備完了。

あとはお好み白さボタンを選んで精米スタート!

 精米したてのコメを炊き上げると、やはり見た目と香りが違います。そのまま一気にかきこむと、「ああ、日本人でよかった」と舌もお腹も心も喜びで満ち溢れること間違いなし。せっかく新米が手に入るこの季節、郊外の道の駅や地元産品を取り扱うお店を探して、玄米から精白したコメを食べてみませんか?