看板はどんなところが劣化しやすい?

見えない場所・高い場所にこそ、看板の劣化が潜んでいます
前回は「点検が必要な看板ってどんな看板?」というテーマで、看板の大きさや高さ、設置場所などによって、点検の基準が異なることをご紹介しました。
では実際に看板を点検するときには、どこに注目すべきなのでしょうか?
実は看板で特に注意したいのは、
- 普段は見えないところ
- 高いところに設置されているところ
大きくいうとこの2点と考えられます。
地上から看板を見て「色もキレイだしまだまだ大丈夫かな」と思っていても、内部では劣化が進んでいることがあります。
今回は、看板の中でも特に劣化しやすい場所を一部の看板の種別にクローズアップし具体的にご紹介します。
① 袖看板は「ブラケット」が重要!
建物の壁面から突き出して設置されている袖看板。
お店の入口などでよく見かけるタイプの看板ですが、実はこの看板で特に重要なのが、看板本体を建物に固定しているブラケット(支持金具)です。
ブラケットは、看板を支えているいわば「命綱」のような部分。
ところが、ブラケットは看板の裏側や上部など、普段の位置からは見えにくい場所にあることが多く、地上から確認することが難しい部分です。
加えてカバーにて内部の鉄骨が覆われていることが多く、そのカバーがキレイに見えるため「大丈夫だ」と錯覚することも多いのです。
さらに、雨水や湿気の影響を受けることで、
- 内部鉄骨の錆び
- 溶接部分の腐食
- ボルトやナットの劣化
- 取付部分の腐食
などが進行している場合があります。
そのため袖看板は看板本体だけではなく、ブラケット内部及びそこに関する取付部まで確認することが重要です。

② 看板の「内部」に雨水がたまっていることも
看板は屋外に設置されているため、雨や風、湿気の影響を常に受けています。
現在ではアルミやステンレス製などの材料も多く使われていますが、特に昔から設置されている看板にはスチール製のものが少なくありません。
鉄は、雨水や湿気によって錆びが発生しやすい材料です。
そこで特に注意したいのが、看板躯体の下部。
看板内部に入り込んだ雨水が下部にたまると、そこから徐々に錆びや腐食が進行することがあります。
さらに、看板下部には雨水を外へ排出するための水抜き穴がありますが、
- サビでふさがってしまう
- 腐食して穴が大きくなってしまう
- 破損
といった状態になると、内部に水がたまりやすくなり更なる錆びの進行に拍車をかけます。
つまり「水が入る」ことだけでなく、「入った水が抜けない」ことも問題なのです。
外から見ただけでは分からない看板内部だからこそ、点検ではこうした部分まで確認する必要があります。

③ アクリル板を支える「押さえ縁」も要注意
看板の表示面・意匠面に使われていることの多いアクリル板。
一見すると、アクリル板そのものに問題がなければ大丈夫そうに見えます。
しかし、注意したいのはアクリル板を固定している押さえ縁です。
押さえ縁も古い看板ではスチール製の場合があり、長年雨水にさらされることで錆びが発生することがあります。
さらに、
- 押さえ縁を固定しているビスが錆びている
- ビスの頭が腐食している
- ビスが固着して取り外せない
- 押さえ縁自体が腐食している
といった状態になることがあります。
こうなってしまうと、単純に「アクリル板を交換すればいい」という話ではなくなってしまいます。
④ 古い乳半アクリルは「膨張」にも注意
特に古くから使用されている乳半アクリル板では、長年の使用によって変形や膨張が生じている場合があります。
例えば5mm厚程度の乳半アクリル板などでも、長期間使用することで寸法変化や変形が起こることがあり、実際に「アクリル板を交換しよう」と思って押さえ縁を取り外しても、アクリル板が膨張していて、簡単には取り外せないというケースもあるのです。
つまり長期間メンテナンスを行っていない看板では「部品を外せば交換できる」という単純な状態ではなくなっていることがあるのです。
これには実際に看板を開けたり、部材を取り外したりしなければ分からないこともあります。
ここまでご紹介したように、看板には外から見えにくい劣化があります。
だからこそ「地上から見て問題がなさそう」だけでは、看板の安全性を十分に確認したことにはなりません。
特に袖看板のブラケットや看板内部など、普段は見ることのできない部分については、専門的な知識や適切な方法による点検が必要になる場合があります。
今回のポイント
・看板は「見えるところ」だけで安全性を判断できない
・袖看板では、看板を支えるブラケットや取付部の確認が重要
・古いスチール製看板では、内部のサビや雨水の滞留に注意
・水抜き穴の腐食・破損によって、内部に水がたまりやすくなることがある
・アクリル板だけでなく、押さえ縁や固定ビスも劣化する
・長期間使用したアクリル板では、膨張・変形によって交換作業が難しくなる場合もある
看板は長年使い続けるほど「見えないところ」で少しずつ劣化していきます。
だからこそ、定期的に状態を確認し、必要に応じて早めにメンテナンスを行うことが、看板を安全に長く使うためのポイントです。
次回は、「看板点検に資格は必要?」について、屋外広告士などの資格と点検作業の関係を分かりやすくご紹介しますね。
今後の「看板点検シリーズ」として下記を予定しています。
・第1回:これから点検を始める方へ?
・第2回:点検が必要な看板ってどんな看板?
・第4回:点検するには資格がいるの?
・第5回:点検の流れを簡単にご紹介!
・第6回:点検しないとどんな危険性がある?
・第7回:点検後に必要なメンテナンスとは?(最重要!)
