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COLUMN

和太鼓 餅つき大会

閑話休題

 みなさまこんにちは。風光社グループ代表の細川です。

 ニッポンのお正月に欠かせないお餅。私が小学生の頃は、三重県にあった遠縁の婆さんの家での餅つきが、年末の恒例行事でした。かまどに薪をくべ、前夜から水に漬けておいたもち米をせいろで蒸し、蒸し上がったもち米を庭にしつらえた石臼へ運び、杵でぺったんこ、ぺったんこ。もちろんつくのは大人の役目で、私はもっぱらつまみ食いの担当でした。

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ケヤキを加工した見事な臼。とにかく重く、運ぶ(転がします)のに難渋しました。こんなのが屋根から落ちてきたら、お猿さんでなくても太刀打ちできません。

 あれから40数年、餅つき機に駆逐されたこんな記憶がリアルに復活することになりました。それはお付き合いのある社会保険労務士であり、某マンモス私立大学のキャリアサポーターでもある髙道センセから届いた「和太鼓 餅つき大会」のご案内。私の役割は現場の「なんでも屋」ですが、お手当が餅の食べ放題と和太鼓体験とくれば、下働きであろうが雑役夫だろうが参加しない手はありません。

地図
京都の自宅から会場へは、クルマで2時間ちょいの〝小旅行〟。いったん大阪府を経由して奈良、和歌山と進んで行きます。
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対向車が来ないことを祈りつつ、幅員ギリギリの山道を抜けようやく目的地に到着しました。あーしんど。

 向かったのは、弘法大師空海が開創した高野山へ通じる高野参詣道のひとつ、京大坂道。かつて高野山に最も近い宿場町として栄えた、神谷という集落にある旧高野町立白藤小学校がイベントの会場となります。髙道センセはこの地域の活性化に心血を注ぐあまり、とうとう生活の拠点までこちらへ移したという経歴の持ち主。これまでもいろんなイベントを、お仲間のみなさんと手掛けてきました。

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1878(明治11)年に開校しましたが、1997(平成9)年に休校となり、その後廃校となった旧白藤小学校。看板がその歴史を伝えます。現在はカフェを営業中。
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1927(昭和2)年のピーク時には152人もの児童が通っていた校内。重厚な天井や梁、静謐な廊下には子供たちの歓声が響いていたのでしょう。

 当日は晴れたものの、標高370mにある学校内はシンと静まり返り、キリリと冷たい空気が差し込みます。しかしイベントの開始時刻が近づくと、次々にやって来る参加者とカフェ目当てのお客さんも加わって、廃校とは思えぬ大賑わいに。そんな中、イベントの開会が宣言されました。それを合図に蒸し上げられた熱々のもち米が運ばれてきて、まずは餅つきの始まりです。が、そのままつくともち米が四方八方に飛び散って大惨事になるので、まずは杵でもち米を潰す作業を、ベテランのみなさんがやってくれます。

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5℃を指し示す教室の温度計。室内でこの気温ですから、お外はもっと…。おお、さぶい。
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理科室のコンロは昔懐かしいプロパンガス仕様。もち米が蒸される甘い香りが周囲に漂います。

 ようやく準備が整い、ここから「お餅をつきたい!」という希望者を募って、いよいよ本番がスタート。まずは杵の持ち方を教わって、おっかなびっくり餅をついていきます。重い杵を振り上げて、狙った場所へ打ち下ろすのはなかなか難しい。しかし餅をつくより、ひっくり返す方はさらに気が抜けません。つき手の動きを予測しながら、手に水を取りサッと餅を返すタイミングを見計らう。これぞまさに職人芸。

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熱々のもち米を臼にセットして、杵で米粒を押し潰し,
つきやすい形に整えます。これはかなりの重労働です。
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「よいしょ、よいしょ」と声をかけながら一心不乱に杵を打ち下ろします。間違ってもアタマだけは避けねばなりません。

 つきあがったお餅は、餅とり粉をふんだんにまぶしたテーブルへ運ばれ、みんなでいっせいに丸めます。つきたてのお餅はとにかく粘りがあって柔らかい。冷えて固くなった餅は、隣にセットした炭火で炙るとまるで漫画の餅のように膨らみます。そしてひと口かじると、伸びる伸びる。昔に流行った、いくら引っぱってもちぎれない人形「ミスターX」を思い出しました。

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熟練のお婆さんが臼から餅を取り上げ、餅粉をまぶしながらいくつかに切り分けていきます。ハイ、見事な手つきです。
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老若男女がいっせいに餅を丸めていきます。もちろん私の担当はつまみ食い。

 お腹がいっぱいになったら、お次は和太鼓演奏。大阪府八尾市を活動拠点とする「和太鼓集団 我武者羅(がむしゃら)」の皆さんが、迫力満点の演奏を始めると、盛り上がりは最高潮を迎えます。統制の取れた動きと、弾むようなリズム、そして腹の底を揺さぶる重低音が、カラダの奥深くに潜む野生を呼び覚ますがごとく、校庭に響き渡りました。

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左が〝仕掛人〟の髙道センセ、右が〝カフェしらふじ〟のマスターである刀祢(とね)さん。この地域の活性化に挑む最強のバディです。
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和太鼓教室に通うメンバーで結成した「我武者羅」のみなさん。大人も子共も一体となった演奏に圧倒されました。

 演奏が終わると、テンション上がりまくりの参加者による和太鼓体験タイムが始まります。バチの握り方を教わり、音楽教官の言う通り打ってみると、これがなかなか難しい。そもそもリズムについていけないのに、左右の腕を違う動きで振り下ろす、という動作がどうしてもできない。対照的に若者はノリノリで課題をこなしておられます。まあ、人には得手不得手がありますからね。

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お待ちかねの和太鼓教室。みんなで基本から楽しく学びます。見ていると簡単そうですが、いざ自分がやってみると…。
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なぜか真田家の兜をかぶった武者姿の音楽教官。和太鼓演奏に楽譜があることを初めて知りました。

 そんな楽しい時間は、あっという間に過ぎて行きます。陽が傾きだすと、盛り上がったイベントもそろそろお別れの時間に。おじいさん、おばあさんがお互いに「〇〇ちゃん」と呼び合いお片付けをしている姿が微笑ましい、1日の締めくくりを迎えました。この旧白藤小学校では、これからもいろんなイベントが目白押し。南海なんば駅から1時間半の列車旅を楽しみながら、ぜひ一度は足を運んでみてください。ちなみに今回のイベントは南海電鉄のHPでも紹介されています。興味のある方はこちらをご覧ください。 → 外部リンク「沿線価値向上プロジェクト」

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年間の乗降人員数が6人と、南海全駅中最下位の紀伊神谷駅(2024年度現在)。なにせ人口が9世帯13人ですからね。しかし、この日は大盛況でした。

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